うめ先生のブログ

「子どもを集める」のではなく「子どもが集まる」保育をしよう!

マスクをしている保育者が配慮したいこと

昨日の記事は風邪で声が出ないときの保育について書きましたが、保育者にとって困るのは風邪だけではありませんね。

保育施設では免疫力の弱い子どもたちがたくさんいることであらゆる病気が常に隣り合わせです。そしてこれからはインフルエンザやノロウイルスなど大人であってもすぐに感染してしまう病気が猛威を振るう時期でもあります。

日頃から体力づくりをしたり手洗いうがいを頻繁にしたり、各々感染予防に努めていると思いますが、この時期になると簡単に手に取りがちなものがありますね。

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マスク。

自分への感染を予防するだけでなく、他者への感染も防げるのでくしゃみや咳が出ている方はエチケットとして使っていることもあるかもしれませんね。

ですが、イラストに描いている通りマスクを使う保育者は注意が必要です!!

 

マスクをしているとどうなるか、是非マスクをして自分の顔を鏡で見てください。

顔が半分隠れていますよね?それも鼻から下、口はすべて覆われてしまいますね。

それはつまり表情がわかりにくい!!ということです。

 

仕事内容が書類やPCだけとにらめっこするようなものだったら差し支えないと思いますが、私たちの仕事は違いますよね。

小さな人たちをはじめ、多くの保護者、ともに働く先生たち。私たちは人を育て、関わる仕事をしているのです。

人との関わりにおいて「笑顔」がどれほどの効力を発揮するのかは保育を志し、保育に励むみなさんは当然に知っていることと思います。

が!!!

その「笑顔」をもっとも伝えやすい顔のパーツ、口が隠れてしまうのです!!

 

当たり前のことなんですが、そのことを厳密に考えたことはありますか?

昔は保育者にマスクを禁じたこともあったそうです。(依然働いていた保育園の園長主任談)子どもたちや保護者への印象を悪くしないため、笑顔をしっかり見せるためだったのだとか。

マスクを使用することの利点を思えばさすがにそれは乱暴だと思うのですが、子どもや保護者へ笑顔を伝える、印象を悪くしない、という考え方は大事だと思います。

 

私自身の経験をふたつお話しします。

 

これは保育士復帰をしてすぐの園でのことです。

私は常勤の臨時職員として働き始めたのですが、最初は園の流れや物の場所さえわかりませんよね。掃除の仕方をとっても前にいた園とは違うので最初は一つ一つ先輩保育士に指示を仰ぎ、習わなければなりませんでした。

その私に色々教え指示してくれる先輩保育士が常にマスクをしていたのです。一つ一つ気がついたことは丁寧に教えてくれる方でしたし、気遣いも素晴らしく仕事の動きも速い先生だったのですがなんとなく冷たく感じるんです。

どうしてかなとその先生をじっくり観察していると、笑顔が見えないんですよね。それはマスクのせいではなく元々表情が少ない先生だったのかもしれませんが、周りの人が得られる情報はその先生の目と声、話し方くらいなものです。

細かい気遣いが出来る先生なので、子どものこともよく気が付くのにその先生の周りにはあまり子どもが寄っていかないのです。大人の私も冷たく感じるくらいだったので、子どもはもっと肌で感じ取っていたのではないでしょうか。

 

そしてもう一つ。

これは我が子ふたりを預けていた園でのことです。感染症が流行っていた関係で職員全員マスクを装着しますというお知らせが掲示されていました。

先生方みんな目しか見えないので、普段から近寄り難い先生はより一層近寄りがたいのです。怒ってはいないと思うのですが、黙って座っている姿は怒っているのかなと感じるほど。

一方でマスクをしているのに雰囲気が明るく、話しかけやすい先生がいました。この先生は目しか見えないのにどうしてこんなに朗らかなんだろう、とじっくり観察していると(私、観察ばかりしていますね。笑)積極的に人と話し、声に出してよく笑うんです。保護者の立場だと、こんな先生が我が子を見てくれていると心から安心出来るなあと思いました。

 

これらの経験を経て私が気をつけるようになった、保育者がマスクをしているときに配慮したいことをまとめたのでシェアしますね。

 

マスクをしている保育者が配慮したいこと

◎いつも以上の笑顔で

マスクをしていると口元が隠れ表情がわかりにくいことはお伝えした通りです。だからこそいつも以上に笑顔でいましょう。心からの笑顔であれば「目は口ほどに・・・」というように口元が隠れていても明るい雰囲気は伝わります。

 

◎笑うときは声に出して

口元だけ微笑んでいてもマスクで隠れていては伝わりません。思いっきり声に出して笑うようにしましょう!

大声で笑っている人を見ると面白い事情がわからないのになぜか釣られて笑ってしまうことがありますよね。同じように声を出して笑っていると気持ちも釣られて楽しくなるものです。そしてそれは周りに伝播しますよ。

 

◎積極的に話しかけて

子どもたちに対しても、保護者や一緒に働いている先生方に対しても積極的に話しかけましょう。マスクをしているだけで話しかけ難い雰囲気が出てしまいます。自分から積極的にコミュニケーションを取っていくことで相手に安心を与えられますよ。

 

◎話し方に工夫を

普段から言葉で誤解を受けやすい方は特に配慮したい項目です。同じ言葉でも表情があるのとないのでは伝わり方が違います。

「明日はタオル忘れないで下さい!!」

笑顔を添えて伝えたら多少強い口調であっても嫌な印象はありませんが、笑顔なしに伝えたら冷たい、きつい、こわい、そんな印象を与えてしまうこともあります。

いつもより少しゆっくり話す、語尾を強くしない、語尾の音をあげる、などいつも以上に言葉を気をつけましょう。保護者や保育者仲間と話すときも子どもに伝えるような丁寧さを心がけるといいかしれません。

 

◎オーバーリアクションで

特に子どもたちとの会話はいつも以上にオーバーリアクションをおすすめします。表情が半分隠れているのにいつも通りの伝え方であなたの気持ちが子どもたちに伝わるでしょうか?表情が隠れていても「せんせいはこういってるんだ!」と子どもたちにわかりやすいように接したいですね。

 

!本当に辛いときは無理は不要!

稀に園の事情で休みたいのに休めなかったという場合や、朝はまだマシだったのに段々しんどさが増してきた、なんてこともあると思います。

そんなときにいつも以上の笑顔やオーバーリアクションで保育というのは体に鞭打つようなものですね。

子どもや保護者にはあまり心配掛けたくないですが、保育者も人ですから病気になることもあります。そんなときは無理せず休む、早退する、というのが理想だと思いますが、そうはいかないこともあるでしょう。周りの先生の協力を仰ぎながら業務を工夫して子どもや保護者との関わりをなるべく減らし、乗り切りましょう。

 

◎さいごに

「マスクをしている」たったそれだけであなたの印象がマイナスになるのはもったいないです!!普段からの信頼関係があればそのことで関係に影響が出ることはないかもしれませんが、ちょっと気をつけるだけで印象を損なわないのならその方がいいと思いませんか?

子どもに対するときも保護者に対するときもそうですが、同僚、後輩やお手伝いをして下さるパートの先生方に対しても嫌な印象を与えないように丁寧に関わりたいですね。

 

 

マスクをしていてもあなたの笑顔がしっかり届きますように☆