あなたが関われば、その絵本は特別になる。
昨日は敬老の日でしたね。
大好きな祖父との思い出を振り返っていたら、みなさんにお伝えしたいことが浮かんだので、今日は私の子どもの時のお話から。
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3歳の時でした。
母に連れられて本屋へ。
なぜおじいちゃんが絵本を母に頼んだのか。
おじいちゃんが絵本を読むとは思えない。
おじいちゃんの絵本なのになぜ私の好きな絵本でいいのか。
子どもながらに随分と考え込んだのを覚えています。
母に何度も質問しましたが、当時3歳。その疑問をうまく伝えることが出来ません。
そこで止むを得ず、言われるがままに自分が欲しい絵本を2冊決めました。
その絵本はきれいにラッピングされ、ピンクのリボンが付けられました。
(おじいちゃんはピンクじゃないほうがいいとおもうんだけど)
さらに疑問は深まります。
そして、夜になり我が家におじいちゃんがやって来て、母に促され絵本の包みを渡すことに。
「ありがとう」と受け取ってくれたおじいちゃんですが、受け取った途端!!!
包みをくるりと持ち替えて
プレゼントしてくれたのでした!!!
状況がすぐに読み込めなかったので(だって3歳。それでなくても疑問だらけでしたしね。)、受け取った包みを
「おじいちゃんの!」
と再び渡し、また渡され、と二度繰り返したところで納得。
そして何ともいえない感動に包まれました。
自分が欲しかった絵本です。でも、「これはおじいちゃんのだから」と諦めていた絵本です。向かい合って立つ祖父は、なんだか面白くてたまらないような嬉しそうな表情で私を見ていました。
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子どもは絵本が好きですし、大人でも絵本が大好きという方は多いと思います。
絵本が好きになる理由、それはその絵本の世界が素晴らしく、魅力的であることはもちろんなのですがそれだけではありませんね。
この時の絵本2冊は、祖父とのそんな思い出も付加され宝物となりました。
他にも、
この絵本は、保育園の先生がいつもみたいにみんなに読んだのではなく、私をひざに乗せて私だけに読んでくれた絵本。
この絵本は、就寝前に母が読んでくれるんだけど、声色を変えて読むところがたまらなく面白い絵本。
この絵本は、サンタクロースさんが枕元に置いてくれた絵本。
絵本に付加された思い出が、一層その絵本への愛情を強くするんですね。
このブログを読んで下さっているみなさんは、保育従事者であったり、保育学生であったり、パパさんママさんであったり。
子どもにたくさんの絵本を選び、一日に何度も何度も読んでいることと思います。
それはあなたにとって、毎日続く生活の中のひとコマかもしれません。
ですが、あなたの選んだ絵本。あなたの読み聞かせた絵本。あなたの贈った絵本。
あなたが関わったことで、子どもにとって特別な1冊になるのかもしれませんよ。
そう考えたら絵本を選ぶ気持ちが、きゅっと引き締まり、その時間も愛おしく思えませんか?
さあ。
明日はどの絵本を子どもに読みましょうか?
追記
祖父がこの時、贈ってくれた絵本です。
「おじさんのつえ」岩崎書店 作・絵 五味太郎
「はじめてのおるすばん」岩崎書店 文 しみずみちを 絵 山本まつ子
祖父へ私信
おじいちゃんいつもありがとう。長生きしてね。