就活に向けてのアドバイス② 理想の園を追い求めていいのか妥協すべきか
先日こんなご相談を頂きました。
「就職活動真っ最中です。求人票をみて園見学に行きましたが、どこに行っても自分のやりたい保育に当てはまるところがなく・・・。
少しずつ内定をもらっている友達も増えてきて焦りを感じています。
そろそろ妥協すべきなのかと悩んでいます。」
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以前、就活に向けてのアドバイスを記事にしました。
その中で「自分を知り、自分の保育に対する考えを整理しよう」という話や、「候補の園を理解しよう」「候補の園で実習してみよう」という話も書きました。
でも確かに「自分の理想とする園がなかったら?」ということは触れていなかったですね。
ご相談者さんのメールを見て「理想の園」と現実の落としどころについて私なりに考えてみることにしました。
◎「自分の働きたい園はこんなところ」もう一度整理しよう。
「なんとなくこの園の保育は嫌だ」「なんとなくここでは働きたくない」と候補を消していく前にもう一度「自分はこんな園で働きたい」というポイントを整理しましょう。
丁寧に文書化する必要はありませんが、こういうことはしっかりと自分のノートなどに書き込むことをおすすめします。(箇条書きで充分です。)
保育について、人間関係について、勤務時間や待遇面、勤務地、など書き出すと「保育」だけでなくこだわりたい点はきっと多く出てくると思います。
自分の考えをしっかりと整理することで「なんとなく嫌」ではなくて「この園のここは好きだけどここは自分に合わない」としっかり候補園を見つめるようにしましょう。
◎優先順位をつけよう。
「こんな園で働きたい」というたくさんのポイントが整理出来たら、その中で一番自分が譲れない点はどこなのか。また、妥協できる点はどこなのか。そんな優先順位をつけましょう。
「どうしてもモンテソーリ保育がいい!」という方はそれが優先度一番ですし、「正直保育内容より定時で必ず帰れる園がいい!」という方もいると思います。自分の中でこれはどうしても妥協出来ない!ということに順位を付けていくのです。
この作業においては注意点があります。それは何かというと、一番優先したいこだわりが「保育」である場合、それを更に細分化して優先順位を決めなければなりません。
例えば「子ども主体の保育がいい」「自然環境が豊かな中で保育したい」「行事に追われていない園がいい」など保育に対するこだわりはきっと次から次に出てくると思うのですが、その中でも更に自分が一番譲れないことは何なのか順位をつけておきましょう。
◎優先順位を踏まえて就活に励もう。
求人があったから見学!実習!と闇雲に動いては時間や労力の無駄になります。
どの園も大抵ホームページで園の方針や雰囲気はわかります。下調べをしっかりした上で、先ほどの優先順位をベースに候補園を絞り、その上で就活に励みましょう。
就活についてはこちらも↓
◎妥協ポイントを自分で決めよう。
妥協ポイントは就活するあなたの性格や、あなたの置かれた状況にもよるところが大きいと思います。そのふたつに先ほどの優先順位を織り交ぜて考えていかなければなりません。
例えば、一人暮らしをしていて自分で生活をしていかなければならない方は、4月から給与をもらわなければならないわけですから、なんとしてもそれまでに就職先を決めなければならないと思います。
つまり妥協ポイントは「時期」です。3月までに、理想だ何だといわず就職先を決めなければならないはずです。
例えば、意思がはっきりしていて自分の思いに反する行いは出来ないという性格の方は、自分の理想と外れたところで働くとストレスになるに違いありません。自分の状況的に4月から働く必要がないのならば、就職がいつになってもじっくりと自分のやりたい保育を探すべきでしょう。
自分の性格と自分の置かれた状況、そして自分のこだわりをみて冷静に妥協すべき箇所がどこにあるのか考えましょう。
◎理想の園って本当にあるのかな?
だけどそもそも「理想の園」って本当にあるんでしょうか?
理想の園に就職してみたら「理想とは違った」なんてこともあるかもしれません。
働いていく上で自分の「理想が変わる」ということもあります。
理想とは違っても自分の努力で「理想に近付ける」ということだって出来るかもしれません。
就職がゴールではないのです。スタートなのです。
そのことを今一度、心に刻んでおいて欲しいです。
◎最後に
友達が次々と内定を決めてくると焦ることと思います。でもその焦りは不要です。
あなたの人生と友達の人生は別物だからです。
あなたにはあなたにとって、必要な時期に、必要な園とご縁があるはずです。
人生において無駄なことなんて何一つないのです。
あなたが就活で10園以上見学に行ったのだとしたら、それはあなたに必要なことだったのです。
私は性格で言うと「こだわり」が強い方だと思います。自分の意見ははっきり言いますし、新しいことや良いと思ったことは取り入れていきたいです。間違っていることは間違いとして正したいです。
こういう性格ですと「長いものに巻かれる」がとても難しく、若いときは本当に苦労しました。段々と巻かれるフリは出来るようになりましたがストレスには違いなく、その結果が「6園での就労経験」なのだと思います。
6回もの就活を経験したからこそ思うのです。自分の性格を踏まえた就活と現実の落としどころ(妥協点)の見極め、その大切さを!
就職はゴールではありません。スタートです。
多いに悩み、考えながらスタート地点に進んで下さい。この時期に得たものもきっとあなたの糧になります。働き出したら自分でもわかるはずです。
頑張ってね。
あなたにとっていい園が見つかりますように。
応援してるよ。