うめ先生のブログ

「子どもを集める」のではなく「子どもが集まる」保育をしよう!

障害を持つ保育士の就職について

個別相談に来て下さる方が増えています。

保育をする上で悩み、考えていることを一人で抱え込まず、吐き出してくれることや頼りにしてくれることを嬉しく思います。

相談の中には、こちらも考えさせられることや心が痛くなることもあります。

ですが少しでもお力になりたい、お役に立ちたいという気持ちでいます。

 

就活シーズンであることも手伝って、最近立て続けにこんな相談がありました。

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発達障害を抱えていたり一側性難聴を抱えていたりする方からの就職に関する相談です。

面接でそれを伝えなければならないのか、伝えることで不利になるのではないか。

これまで友人にも打ち明けず隠してきたので、就職先でも知られたくない。

隠して就職することでかえって迷惑をかけるだろうか。

など、とても思いつめている方もいました。

 

もしかしたら個別相談に来ていない方の中にもそうして悩んでいる方がいるかもしれないと思い、障害を持つ保育者の就職について、ブログにも書くことにしました。

 

◎就職前に告知の義務があるのかどうか

難しい文章が続きますが大事なことです。

就職前に就職応募者が障害などについて自発的に告知する義務があるのかどうか、という点は確認が必要です。それが義務付けられているのであれば、告知せずに就職するとそれを理由に解雇される可能性があるからです。

 

就職試験を受ける際に確認したい事項ではありますが、私が調べた範囲では「採用面接に当たり、信義則上の義務として、告知すれば採用されないことが予測される事項について、自発的に告知する法的義務まではない」とされています。

告知すれば採用されないことが予測される事項とは病歴や前科前歴、障害などが該当するようです。

そして障害者雇用促進法の趣旨・目的において、「事業主は労働者の募集及び採用について、障害者に対して、障害者でない者と均等な機会を与えないければならない」とあります。

 

つまり、職業上の能力や技能などに影響がない障害であるなら、告知の義務はそもそもないし、それに関する調査や質問をすること自体許されないことも有り得るということです。(曖昧な言い回しですけどね。)

 

◎告知するかどうかは自分でよく考えよう

告知の義務がないならば、そこはもう自分の判断になります。

これまで誰にも打ち明けずに来て、「日常生活に全く差支えがない、障害を抱えていることに関して他者からの理解やフォローが全く必要ない」と言うのならばわざわざ打ち明けなくてもいいかもしれません。

でも何かしら日常生活に不便があって、時折でも他者からの温かい理解やフォローが必要なのであれば伝えていた方がいいかもしれません。

 

◎障害って

私は障害ってやっぱり個性だと思います。

誰しも得手不得手があります。障害の有無に限らず、みんなあります。

障害という部分だけを見つめないで、その「人」を見れば「これが得意なんだね」「これは苦手なんだね」って理解が出来て、

「あなたのその苦手、私は得意だからしてあげるね」とか「私これ苦手だけどあなたは得意だよね、手伝ってくれる?」とか。

そうやって協力し合って人間関係が成立していくものだと思うのです。

そこに障害の有無は関係ないと私は考えています。

 

◎苦手をネガティブに捉えない

誰しも持っている不得手の部分。苦手な部分。

これを隠したがる人は多いですが、私は隠さず伝えることを提案しています。

出来ないことや苦手なことを先にしっかり伝えることで、周りは協力しやすく、役割分担が円滑に出来上がります。

また、苦手への取り組みすべてが努力として見られます。

 

そして、自分がラクです。

苦手を隠すと言うことは、自分一人で頑張ると言うことです。

「これにがて~、誰か手伝って~」

ってヘルプを出せたらとてもラクなのに、隠していたら自分だけでひたすら頑張らないといけないんです。

それってしんどいと思います。

 

そういう頑張りを否定はしません。すごいと思います。

でももしそれで自分が追い詰められるのであれば、それはよくないです。やり方を変えてラクに生きる方法もあるんですよ。

 

※ちなみに、障害を不得手・苦手と捉えているわけではありません。先ほどお伝えしたとおり障害があっても(なくても)得意なところ良いところはたくさんあるのは当然のことです。ただ不得手・苦手にクローズアップした時のことを書いています。誤解なきよう!

 

◎障害の告知をしておくメリット

告知をしておくメリットは他者からの理解と協力が得られるという点です。

 

例えば発達障害で「場の空気が読めない」という不得手があったとしても、周囲が事情を理解していれば、それはあなたの特徴のひとつであるとわかるので「何で空気読めないの?腹立つわ!」なんてそこに疑問や怒りを向けることはなくなります。「今それはしない方がいいよ」と、察してくれとは考えずにはっきり指摘出来るわけです。

 

例えば一側性難聴で「集中していないと音が聞こえづらい」という不得手があったとしても、周囲が事情を知っていれば、それはあなたの特徴のひとつであるとわかるので「呼びかけても返事ないし!無視かよ!!」なんてそこに疑問や怒りを向けることはないですよね。「あ、今聞こえなかったんだな」とすぐにわかるわけです。

 

先ほど言った「苦手を隠さない方がラク」というのはそういうことなのです。

 

◎障害を告知しておくことのデメリット

デメリットはなんでしょう?

理解のある人ばかりが世の中にいるわけではないから、時に偏見を持たれる・・・ということくらいでしょうか?

でも、その人の「人としての在り方」を知ることが出来ると考えれば、私にはそれもメリットに感じます。そんな人との関わりはこちらからお断りしたらいいんです。

 

◎つまり・・・

つまりまとめると、障害の告知はしてもしなくても自分で決めていいということ。

ただ、していた方がラクだと私は思っているということです。(私が思っていることなので、あなたがそう思わなければそれはそれでいいのです。)

 

◎告知するタイミング

ではもし告知する場合いつ伝えるべきかと悩む方もいると思います。就職試験のとき?それとも就職が決まってから?

最初にご紹介した理屈でいうと、これもどちらでも自分で決めていいということです。

 

ただ就職試験のときに告知をすれば、それもわかった上で採用してくれるという安心感がありますね。あなたの障害も受け止めた上であなたに働いて欲しいって思ってもらえたということですから、嬉しいですね。

 

その点を踏まえて考えてみるといいと思います。

 

◎うめ先生の話

ここまで書いてみて、私としては「告知したほうがいい」と考えているんだとしみじみ自分の考えを実感しました。

ご相談者さんの多くは「誰にも言っていない」「人には知られたくない」とのことだったので、これまでの人生そうやって一人で頑張って来たのかと「よしよし、頑張ったんだね~」と背中を撫でてあげたい気持ちになりました。

 

実を言うと私自身、病気で一側の聴力を落としました。左耳は聴こえません。

体調によっては、よく集中して話している人の口元をじっと見ていないと聞き取れません。右の聴力も不安定なのです。(体調によって差があります。)

 

困っている点、先ほどの書き方をすれば不得手な部分をいうと、

集中しないと聴こえないときがある。

音の方向性がわからない。(どこから音が鳴っているか)

この二つは結構苦労します。

 

事情を知らない人は「耳とおっ!」と笑いますし、何度も聞き返してしまい怪訝な顔をされたこともあります。それが嫌で聴こえたふりをすると話のつじつまが合わず「聴いてなかったやろ!!」と苛立ち半分で突っ込まれます。

(特に妹、ちゃんと聴いてなくてごめん。笑)

 

私はそういうのが全部面倒なのですぐに言います。

「聴こえないんですよ~すみません、、てへへ」

「聴こえないときもあるので大きい声でお願いします!!」

こういうのは性格もあるのでしょうか?

自分の苦手を理解してもらうと言うのは決して恥ずかしいことではないですし、最初に伝えておくことでほんっっとうにラクなんですよ。

 

そして、このことに関して

「うちの園は性格のきつい人ばかりだからあなたには辛いかもしれませんよ」

なんて優しさなのか遠まわしの拒否なのか、わからないようなことを言われたときは「じゃあ結構です!」

とこちらから断ります!そんなところは入ったところで苦労しますので。

 

 

私の「告知した方がいいよ、その方がラクだよ」という考えはあくまで私の考えです。

私の経験から「そっか、じゃあもう話すようにしよ!」と思えた方はそうすればいいし、それは出来ないと思うなら自分の思うようにしたらいいんです。

ただ、一意見として参考にしてもらえたら嬉しいです。

 

 

そのままのあなたを受け入れてくれたらいいね☆

 

 

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(業務に差し支えるようなことがあれば中止も考えていますのでいまのうちにどうぞ)

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