うめ先生のブログ

「子どもを集める」のではなく「子どもが集まる」保育をしよう!

与えられた仕事を楽しむということ

現役保育士さんより頂いたご相談から・・・

 

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保育園で働いている方ならこの状況、容易に想像出来ると思いますが、そうでない方もいると思うので説明しますね。 

 

保育園では、その日の子どもの人数に対して保育士が多い場合、人数的に余った保育士はクラスから外れて、園やクラスの雑務(園の整備や業務、クラスの保育準備など)を行うことがあります。

  

これ、保育園独特のシステムだなーと思います。

(こういうやり方をしない保育園も中にはあります。)

  

私も幼稚園から保育園に移ったばかりの頃に、初めてクラスを外されたときは、

「え!!担任なのに子どもと関われないの?」

と、とてつもなくショックでした。

  

私の元へ届いたご相談は、このようなケースで、いつも自分ばかりクラスを外されていて不満に思っている・・・という内容でした。

  

この「クラスを外れる保育士」がどういう立場の保育士なのかというと、それは園によるところが多いです。

  

保育のリーダー、サブリーダー、雑務を、担任間で週ごとに交代するような園では、雑務担当の先生が外れる・・・という仕組みにしているところもあれば

  

保育のリーダーは一貫して、正規職員だけで行っている園では、外れるのはいつもクラスに入っている臨時職員であるところも。

  

わかって頂けると思いますが、保育への責任の観点から週のリーダー保育士が外れることは基本的にないと思います。

つまり書類業務や保護者対応などに関わることのない、日雇いのパートの先生はどちらのパターンの園であっても先に外されることが多いと思います。

  

また、色々な業務を早く覚えさせたいという理由から、新人保育士を優先的に外す・・・という園もあります。

  

私が最初に勤めた保育園では、新人保育士が外れるのは当たり前!という感じで、担任としてクラスに配属されていながらも、自分のクラスで過ごすより、クラスを外れ、

園の業務を手伝ったり、ペアクラスの以上児クラスに入り保育補助をすることのほうが断然多かったです。

  

その前に勤めていたのは幼稚園で、一人で4歳児を持っていたので尚のこと、自分のクラスを置いて他クラスの補助をする・・・という状況を飲み込むのに時間が掛かりました。

  

ご相談者さんは私のパターンに似ていて、新人保育士だから外されるという状況でしたが他にも、

「子どもが好きだから、少しでも子どもと関わりたい!」

と保育士資格取得見込みの状況で保育補助として就職したら、

ほとんど子どもと関われない!!という状況にショックを受けたという先生もいました。

  

ご相談では、あまりに雑務ばかりで子どもと関われず、クラスの子どもと信頼関係が築けず焦ってしまう・・・とも添えられていて、憧れの保育士になったのに実際は保育にあまり関われない状況の辛さを感じました。

  

ご相談の先生のように新人保育士という立場であっても、保育補助、日雇いパートなどの立場であっても、「保育士」になった先生方はみんな子どもが当然好きで、子どもと関わりたい気持ちで保育士になったのだと思います。

  

なのに、実際はあまり子どもと関われない・・・。

その淋しさは私も経験があるのでよくわかります。

  

雑務の大切さもわかっているし、掃除の必要もわかっている。

それが嫌なのではなくて、もっと子どもと関わりたい。

これは保育士として、当然の気持ちです。

そう思うことを恥じることはないと思います。

  

ただ、そういう仕組みの園で就職した以上、どうしようもない部分だと思います。

(働いてみないとわからないんですけどね)

  

「じゃあガマンするしかないんですか?」

「うめ先生はガマンしたんですか?」

  

と聞かれそうなので、私の場合どうしたのかをお話します。

  

私はその状況を、ガマンした・・・というより考え方を変えて、楽しむようにしました。

  

倉庫の掃除をするように言われたら、

「すっごく使いやすい倉庫になるよう整理しよう!」

事務室での事務作業を任されたら、

「誰より効率よく丁寧に仕上げよう!」

ペアクラスの掃除や保育補助をするように言われたら、

「○○先生の保育が間近で見れる!やったー!勉強になる!」

  

子どもともっと関わりたい、その気持ちは自分でしっかり受け止め、受け止めたら、それは一旦考えないようにして、与えられた仕事を精一杯楽しく行う。

  

クラスを外れてまで行う園やクラスの業務。

これをする人がいなければ、明らかにみんな困りますし、結局はこれ、子どものための業務なのです。

  

「子どものためだ!がんばろう!」

  

そう気持ちを切り替えたら、雑務であっても、仕事が楽しくなりました。

  

そして、自分なりに楽しんで工夫しながらそれらの業務を行っていると、

「先生はどんな仕事も楽しそうにやってるね」

「先生に任せた仕事は間違いがなくて安心できる」

と言われるようになりました。

  

保育補助に入ったクラスでは、「勉強させて頂きたい」という気持ちがそのクラスの先生に伝わり、とても丁寧に保育や子どものことを教えてもらえました。

  

そうしていると結果的に、

「あの先生はしっかりしているし、仕事をきちんとこなすから」

と次年度では主担任としてクラスを持たせてもらえました。

  

これは、園の考え方、資格の状況、働き方(正規か臨時かとかね)、家庭の状況によると思うので、私のように気持ちを切り替えた!楽しく頑張った!ハイじゃあ主担任ね!

というステップになるとは限りませんが、少なくとも、仕事に対する姿勢は見てもらえると思います。

  

「嫌々そう」とまではいかなくても、暗い表情で雑務をこなす先生に、子どもを任せたいとは思いませんよね。

そして自分自身、ため息をこらえて雑務をするより、わくわくと自分に出来ることを考えなから雑務をするほうがずっと楽しいです。

  

もっと子どもと関わりたいのにと嘆いてる先生。

お気持ちとてもよくわかりますが、切り替えて楽しみましょう!

と私は提案したいです。

 楽しくがんばろう? 

 

 

そして・・・

この記事を逆の立場から見ている先生がいたら、考えて欲しいんです。

  

「じゃあ先生外れて」

その言葉に冷たさはないですか?

外れてくれる先生に疎外感を与えていませんか?

  

外れて園やクラスのための業務を行なってくれる先生に感謝していますか?

「先生ありがとう、草取り暑かったでしょう?」

そんな労りの気持ち、忘れていませんか?

  

そして、いつもいつも同じ先生が外れる状況、本当に必要ですか?

交代で外れることは出来ないのですか?

  

そんな風に今一度、園の状況を見直して欲しいです。

保育士一人一人の意識が変われば、もっといい職場になるはず!

 

 

どちらの立場であっても

「子どものために」

を忘れずにいましょうね。