指導保育士が「何も教えてくれない」と嘆くあなたへ 教えはいたるところに落ちてるし、どう学ぶかは自分次第
保育学生さんや新人保育士さんからの相談で、
何件かこのような内容を頂きました。
実習先の園の活動内容が理由であったり、
指導保育士の指導の仕方が直接的でなかったりして、
「何もさせてもらえない、何も教えてくれない」
という実習生。
新人保育士さんの中にも、
一緒に組んでいる先生が怒ったり、小言を言ったりばかりで、
「何が悪いのか、どうするとよかったのか、教えてくれない」
「事前に何も教えてくれず、ミスに繋がっている」
・・・とのこと。
話を具体的に聞くと、
確かにその実習園の活動は行事への取り組みが主で、
保育士からの指導はおろか、子どもとの関わりもあまり持てないようでした。
また、新人保育士さんにおいても、
一緒に組む先生が反面教師な先生であるとか、
具体的に指導するというより見て学んで!というスタイルであるとか、
相談者さんのパターンは多少違いますが、確かに教えてもらえてない状況。
「教えてくれないんです!」
と嘆きたくなる気持ちはよーくわかりました。
実は私もですね、
幼稚園に就職したばかりの頃、同じように嘆いていました。
1年目でも一人でクラスを持たされる園でしたし、
4歳児クラスだったので補助教諭がつかなかったんですね。
(3歳児には補助が配属される、という仕組みの園でした。)
3歳児担任になった同期の先生は、補助教諭(補助といってもベテラン教諭です!)から毎日事細かに指導を受けている。
一方私は、保育案こそ学年統一のものをもらえるものの、それだけ。
「もっと色々教えてよう!!」
そんな不満でいっぱいでした。
ですが、
そんな私の不満を一掃し、考え方を変える出来事がありました。
職員トイレには、
紙の量が少量になったトイレットペーペーが
たくさんかごに入れられ置かれていました。
「量が少しのものばかり、なんでこんなに・・・」
始めてトイレを使ったときに、
少し疑問に思ったものの、その時の私は深く考えずにスルー。
ですがその、
「誰も何も教えてくれない!!」
と不満を心に溜め込んでいた、とある日に、
職員トイレに入って再び思ったんです。
「この少量トイレットペーパーは何なの?」
先輩教諭に質問したくても、怖くて出来なかった頃のことです。
じっくりと観察することにしました。
そして気付いたんです!
子ども用トイレにはいつも満タンのトイレットペーパーがセットされている!
ということに。
よく考えたらわかりそうなものですが、
(すぐにわかったブログ読者さんもいることでしょう笑)
当時の未熟な私にはわからなかったんですね~。
確かに子どもは自分でトイレットペーパーの交換が出来ません。
そして、地域でも有名な超マンモス園。
(有名というのは大きな幼稚園!という意味で)
一人がトイレに行くたびに保育者が付き添うということは基本出来ないので、
こういった配慮がなされていたんですね。
(もちろん子どもの体調不良時など付き添うこともあります)
私がトイレ掃除当番をした後は、
きっと子どもたちトイレットペーパーに困っただろうな・・・
と反省しつつ、
このことはとても大きな学びとなりました。
トイレットペーパーについて学んだだけではなくて、
先輩教諭から手取り足取り教えてもらえなくても、
教えは園のいたる所に落ちているということ。
「何も教えてくれない」
「何も学びがない」
と嘆いているあなた。
本当にそうでしょうか?
園の門をくぐった時から、
(いや、もしかしたらその前から)
あなたへの教えはいたる所に落ちています。
教えは指導保育士や先輩保育士の口からのみ出てくる、
というものではありません。
どこにどんな教えが落ちていて、
それをどう学びとするのかはあなた次第です。
前にお話しした反面教師だって、
そこから学ぶことはあったでしょう?
今回伝えたトイレットペーパーの学びのように、
園の環境に学びがあることだってありますよ。
広い視野で実習を、日々の保育をしましょう!
そしてこれはおまけのお話しなんですが・・・
「教えはいたるところに落ちている」
「それをどう学ぶかは自分次第」
これね、実習や保育の仕事に限ったことではないんですよ。
生きていれば(壮大な言い方ですけど)
色んなことがありますよね?
学校で友達の輪にうまく入れなかったとか
家族と大きなケンカをしたとか
恋人に振られたとか
仕事がうまくいかないことだらけとか
そんな、人生に起こる困難すべてに
「このことは私に何を教えようとしているんだろう」
「このことは私に何を学ばせたいのだろう」
と応用することが出来ます。
これが出来るということは、
物事を振り返り、見つめ直し、次へステップアップ出来るということです。
実は私、
軽く口に出来ないような、とても壮絶な経験を過去にしています。
死んだほうがマシだけど、死ぬわけにはいかないという過酷な経験です。
・・・でもね、
この方法で今があります。
「あのことは人生における壮大な学びだったんだ!」
「これは活かしていくしかない!!」
これを書くのは、
私の人生の話の重さを伝えたいんじゃないんですよ。
(むしろそれはかる~く流してください笑)
そうではなくて、
どんな物事も教えとし、学びと出来るんですよ~
というのを念入りに伝えたかったんです。
目に入るものすべて、
自分に起こることすべて。
それはあなたに、何を教えてる?