子どもを叱る前に、子どもの気持ちを考える。
1歳児クラスを持っていたときに、こんなことがありました。
絵本に座っている子どもを後輩保育士が叱る・・・。
でも私は、
「叱るのちょっと待って」
と後輩を止めました。
実はその頃、この○○ちゃんに限らず、クラスの子ども達が絵本に座るという行動をよくしていたんですね。
絵本は座るものではないので、
「絵本に座ってはダメ」
と叱るのは確かに正しく感じるのですが、子どもたちが何故絵本に座るのか、わかってる???わかった上で叱ってる???
と後輩に気付いて欲しかったのです。
以前ブログで、
「怒る」と「叱る」の違いについて書きましたが
怒るのではなく叱る、を心掛けているのに子どもに伝わりません!という相談が時々来ます。
(実際は「子どもが言うことをきかない」という表現が多いですが、個人的に好きな表現ではないので「子どもに伝わらない」と書きかえますね。)
その行動をしたのは、何故なのか。
子どもの気持ちを理解しないまま叱っても、子どもの行動は改善しません。
その時は、叱られたことに驚いて、その行動を中断するかもしれませんが、
いずれまた同じ事をするでしょう。
子どもの気持ちがわからずに叱ったということは、子どもにも何故それがいけないのかが伝わっていない可能性が高いです。
それは場合によって、子どもとの信頼関係を壊してしまうかもしれません。
(そんなの嫌ですよね?)
子どもの気持ち(何故それをしたのか)がわかると、叱る必要がなく、教えるだけで充分に子どもに伝わり、その行動が改善することもあります。
このクラスの出来事もそんな事例のひとつで、何故子どもが絵本に座ったのかを理解した上で対応したら、子どもたちは絵本に座らなくなりました。
子どもたちが絵本に座っていた理由、みなさんはわかりますか?
絵本に座って、
「おはなし おはなし パチパチパチパチ♪」
と子どもが歌っているのがヒントです!
・・・そう!
実はこれ、保育士の真似をしていたんです。
と書くと、
「え!?まさか先生達は絵本に座っていないでしょう?」
と疑問に感じるかもしれませんね。
もちろん、保育士が絵本に座る!なんてことはないのですが、思い当たることがありました。
それは保育士が絵本を読むときに、
まだ読んでいない絵本を背中に隠すようにしていたんですね。
1歳児の子ども達には、この行動が、絵本に座っているように見えたのでしょう。
このことについて、子どもたちには絵本の読み聞かせのときに話してみました。
「先生が絵本に座ってると思ってた~?じつは背中に隠してたんだよ。(横からの姿も見せて)
でも絵本に座ってるみたいに見えるのはいやだから、ここに隠すのはやめるね」
「絵本に座ることはいけないことだよね?」
1歳児さん相手ですが、わかりやすい言葉で説明すると子ども達にはしっかり伝わったようでした。
また、担任間でも話し合い、絵本を背中に隠さないように決めました。
(エプロンの中、おなかに隠すようにしました。)
それ以後も、絵本をつかった先生ごっこはクラスで流行っていましたが、子どもたちが絵本に座ることはなくなりました。
「叱る」を心掛けているつもりなのに、子どもに伝わらないと嘆いている先生。
子どもの気持ちを理解出来ているか振り返ってみて欲しいです。
どのような行動も、子どもなりの理由があるのです。
そして、このようなことって、家庭でもありがちですよね。
「何回も何回も同じことしてーーー!!!」
と、怒りあげたり、イライラしたりする前に深呼吸して、お子さんの気持ち、何故それをするのかをみつめてほしいです。
大人だって、理由も理解しようとせず頭ごなしに叱ってくる人がいたら嫌ですよね?
子どもだって、同じなんですよ。
子どもの気持ち、大事にしましょう?