うめ先生のブログ

「子どもを集める」のではなく「子どもが集まる」保育をしよう!

おもしろい保育のすすめ

今日は、幼稚園で4歳児を担任していたときの話です。

(私は1年目、新人でしたが一人で担任をしていました。)

 

何故か私のクラスだけ、赤ちゃんの人形がなかったんです。

同学年他クラスにはあり、うらやましがる子ども達。 

 

そんな様子を知り、園長先生が私のクラスにも一体の人形を買ってくれたのですが・・・

   

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元々クラスにあったうさぎとくまのぬいぐるみを明らかに大事にしていない子ども達の姿を知っていたので、正直、新しい人形を置くことにためらいがありました。 

  

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人形やぬいぐるみを「ままごとの道具」「道具」と思っているから、

古いものを嫌がったり、大事にする気持ちがなくなったりするのでは? 

 

家庭にある小さいときから一緒にいたぬいぐるみや人形には

みんなもっと愛情があるのでは? 

 

新しく買ってもらった人形も元々あったぬいぐるみも

「ままごとの道具」ではなく、

クラスの一員のように大事にして欲しい・・・。

 

 そんな風に考えた私が思いついたこと・・・。 

 

それは、

「赤ちゃん(人形)を私が産もう!!」

でした。笑 

 

ある日突然、お腹の大きくなったうめ先生!!

  

4歳児さんですので、最初は、

「せんせい、それうそやろ?」

「おにんぎょう、いれとるんやろう?」

という反応でしたが、 

 

「みんなの兄弟が入ってるんよ」

と答えて、慈しんでお腹をさすってみせました。

 

「みんながこの赤ちゃんを大事に思って、いっぱいお世話するっていうきもちになったら産まれるんだよー」

と話すと、

だんだんと反応が変わっていき、

「あかちゃんってやさしくしないといけないんよね」

「なんまいもオムツがいるんよ」

「せんせいのこともやさしくしてあげないと!」

「いっぱいだっこしよう」

「みんなだっこしたいからじゅんばんにしよう」

などと言うようになりました。 

 

すれ違う先生方に笑われようとも、

園に来た保護者にびっくりされようとも、

衣服の下に赤ちゃんを仕込んだ状態で数日過ごしました。 

 

そして、とある日赤ちゃん人形は産まれたのですが

(子ども達に見えない事務所奥のキッチンで!!) 

 

赤ちゃん人形が産まれた後、

とーーーっても喜んだ子ども達と、たくさーーーん話しをしました。 

 

この赤ちゃんはみんなに喜んでもらえて嬉しいよね。

でも今までいたうさぎやくまはどういう気持ちだろう?

これからみんなは赤ちゃん人形だけ可愛がるのかな・・・ 

 

そんな話をして、

子どもたちなりに色々と考えてくれて、

それから終了式を迎える日まで、

子どもたちは赤ちゃん人形もぬいぐるみもとてもとても大事にしていました。 

 

実はこの、人形を先生が産むことで、

人形を物と思わず、大事に扱えるようになる・・・

という保育を実践していた幼稚園が実際にありまして。 

 

私はこれを実践してみるにあたって、

その園の公開保育と研究発表に行かせて頂いたんですね。

  

その園ではもっと本格的に、赤ちゃんは10ヶ月先生のお腹で過ごすので、

私のしたことは「ちょっと真似しました!」

というレベルのことなのですが・・・ 

 

少なくとも

「ぬいぐるみ、粗末にしたらだめでしょ!」

「新しい人形だからって人形ばかり大事にするのはおかしいでしょ!」

なんて叱るよりも、

ずっとずっとおもしろくて、子どもたちの心に響いたように思います。 

 

今回このことを記事に書いたのは、

みなさんに「人形を産むといいですよ」「人形を産む保育おもしろいですよ」

ってお伝えしたいわけではないんです。 

 

これは1年目のまだまだ保育者として未熟だった私が

試行錯誤し、勉強し、やってみたことなので、

この保育自体はおすすめできるレベルのことではないのです。 

 

ただ、保育のひとこまにある、

「ん?これどうなの?」

「ん?これ子どもたちにはもっとこう育って欲しいのに」

という気付きに対して、 

 

安易に言葉で、安易に叱ることで

解決するのではなくて

「おもしろい保育考えようよ」

という提案をしたかったのです。 

 

みなさんも、

ただ淡々と毎日の保育をこなすのではなくて、

「どうしたらおもしろいかなー」

と考え、試してみませんか? 

 

今の私だったら

人形を大切に扱うための保育案を

赤ちゃん人形を産む!以外にもたくさん思いつきます。 

 

常に

「何かおもしろく出来ないかな」

「おもしろく伝える方法はないかな」

と考えるクセをつけるといいのだと思いますよ。