うめ先生のブログ

「子どもを集める」のではなく「子どもが集まる」保育をしよう!

先輩保育士に学んだ先輩保育士としての在り方

新人時代のことをお話ししたいと思います。

 

私が働いていた地域(区)の保育士会では、春レク秋レクと呼ばれる研修旅行がありました。主にバスで行く旅だったのですが、「レク係」に任命されるとちょっと大変。

園内のレク参加者への連絡はもちろんのこと、当日の動きの把握伝達、おやつの準備など。レクがスムーズに楽しく進行されるよう考えなければなりませんでした。

中でも当時の私が苦手だったのが、バス内でのお楽しみ会の進行。自園の先生方だけならまだしも、他園の先生方も乗るバスで皆さんが楽しめるよう計画し、進行しなければなりませんでした。 

20180905003435

私が初めてレク係になったのは、保育士2年目の時。

保育士としての経験はもちろんのこと、レク自体への参加経験もまだ少なかった時です。同乗している先生方は自分よりずっとずっと経験豊富なベテラン勢ばかり。

そんな先生方の前で一人マイクを握り、楽しいお話やゲームをする・・・。思い出しただけで手に汗かきそうです。

(バスは動き始めた!さぁゲームをしなければ!!)とゲームを始めようとした時です。 

20180905003434

他園のえらーい先生方にそう言われ、それでなくても緊張して張り裂けそうな心が崩壊!今覚えば、それだけのことで?という感じもするんですが、2年目入ったばかりの新人がえらーーーい先生に何か言われる、それだけでもう恐怖でしかありませんでした。泣きそうになるのを必死で堪えたのを覚えています。 

20180905003433

この時のレクは日帰りで県内外の名所を巡ったのですが、どの素敵な景色も心に入ってきませんでした。帰りのバスの進行のことで頭がいっぱい。そして「なんで保育以外のことでこんなに辛い思いをしているんだろう。」「帰りたい、何なら辞めたい。」とまで考えていました。

 

それでも帰りのバスは、皆さんの疲れも考慮するので行きのようなゲーム遊びなどは必要なく、少しゆっくりとすることが出来、このレクは終了。

そしてみんなバスを降り、解散となったその時です。バスに同乗していた他園の副園長先生に呼び止められました。

20180905003437

ホッとしたのも束の間。再び心臓が「ドッキーーーン」と跳ね上がるのがわかりました。バスでの私の進行はしどろもどろ。ゲームの件に限らず、進行中先生方にたくさん意見された私です。

呼び止められたのは、その不手際を注意されるのだろうと恐怖と緊張で固まる私。

 

そんな私に副園長先生が掛けて下さった言葉は、 

20180905003436

注意でもなく、お叱りでもなく、労いと励ましでした。

張り詰めていた緊張が解け、ずっと我慢していた涙がこぼれてしまいました。

とても感激しましたし、道中「辞めたい」なんて考えていた気持ちも吹き飛びました。

 

私はこの保育園で働く前に幼稚園でも勤務しています。ですが園長先生や副園長先生といったすごく上の立場の先生に、そんな風に寄り添い励まされたことはありませんでした。

 

(とても偉い先生なのにこんな下々の私に温かい声を掛けて下さるなんて・・・)

今思えば、考え方おかしいんですが当時の私はそんな風に感じていました。笑

 

そして人を導く立場にある者の在り方を学ばせて頂きました。この出来事は、その後の自分の保育士としての在り方や、先輩としての在り方に大きく影響をもたらしています。

 

日々私の元に届く相談の中で「後輩指導について」「後輩との関係について」のお悩みも時折来ます。どう指導したらいいのか、どうすればわかってもらえるのか、皆さん口々にそう言うのですが・・・

まずすべきなのは、認めるということではないでしょうか。

 

頑張ったね。それすごくいいね。よく気がついたね。お疲れ様。

先輩のそんな言葉に後輩がどれだけ勇気付けられ、励まされるか。そしてまた頑張ろうと思えるか。

そんな風に寄り添える先輩でありたいと私は思います。

 

ちなみにその他園の副園長先生、今は園長先生であり、市の保育士会会長です。

たった一人の未熟な保育士に対しても、寄り添いを忘れない、そんな素敵な先生に私もなりたいと思うきっかけを下さった尊敬する先生です。

 

話を戻しまして「まず認める」ということ、先生方は普段からしていますよね?

すぐにピンと来たのでは?

そう、私たちは子ども達に対して、いつもそう接していますよね?

 

楽しいね。嬉しいね。悲しいね。淋しいね。悔しいね。

子ども達一人一人の気持ちをそんな風に認め、共感しますよね。

後輩に対しても同じではないでしょうか?

 

相手が子どもであっても、保護者であっても、後輩であっても。

寄り添う姿勢、大事にしていきたいですね。