うめ先生のブログ

「子どもを集める」のではなく「子どもが集まる」保育をしよう!

勉強になった実習指導

最近、学生さん向けの保育実習アドバイスが続いていたのですが・・・

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M先生の指導は、保育実習生一人一人の学びをよく考えて下さっていることが伝わるものでした。

 

その指導は、現在実習指導をする立場の先生方やこれからそうなる先生方の参考になるのではないかと思うので、それがどのようなものだったのかをシェアしたいと思います。

 

「実習指導なんてまだまだ先のこと!」なんて思っている1年目の先生方。早い先生は2年目からその立場に置かれることもありますよ。今は深く考えなくてもいいので、この記事は読んでおくことをおすすめします。

 

うめ先生が勉強になった実習指導

 

保育系短大1年の1月。(ちょうど今くらいの時期でした。)

学校附属の幼稚園で初めての保育実習がありました。

 

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実習クラスで子どものトラブルが発生。

同じクラスで実習中の私の友人□□が、近くにいたので止めに入りました。

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彼女が入ったことで取っ組み合いのケンカは収まりましたが、初めての保育実習です。

子どもたちの仲立ちまではうまく行かず・・・

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心配しつつも食後の掃除をしながら、ただ見守るしかない私を含む実習生組。

(このクラスには3人の実習生が入っていました。)

 

そこへM先生が来ました。

M先生はトラブルが収まっていないながらも、子どもたちが暴れるのを止め落ち着いていることを確認した上で、私たち実習生のところへ来て指示を出しました。

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そして、子どもふたりの仲立ちをしている友人□□には

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この時私は、友人□□への指示に驚きました。

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私が先生だったら、トラブル中の子どもたちとどう関わるのかを見せたり、そうでなかったとしても他の子どもたちに付くようにしたり・・・、そんな指示をするのではないかと考えたのです。

(保育者の指示に疑問を感じる生意気な実習生でした。もちろん心の中で!ですが。笑)

特にこれから礼拝の時間。数日の実習で礼拝がこの園においてどれほど大事な時間なのかをすでに理解していましたし、その数日間礼拝に実習生が参加しないことはなかったのです。

 

そんな疑問を抱きながらも私は指示された通りホールへ向かいました。

そして礼拝を終えると降園時間となり、清掃活動や翌日に向け環境構成を整えて、反省会の時間となりました。

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反省会ではM先生の方から、子どもたちのトラブルのことを話し始めてくれました。

そして・・・

「□□先生、どうしてあの時私が水道の掃除を指示したのか、気が付きましたか?」

と友人□□に問いました。

 

そのことについては私も疑問に思っていたことだったので、興味津々で身を乗り出して話を聞いたのですが・・・

友人□□の答えを聞くと、M先生の意図が私にも理解出来、その配慮がありがたく感じました。

 

それはこういうことでした。

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友人□□は水道の掃除をすることで、M先生が子どもたちにどういった関わりをするのか、どのようにトラブルの仲立ちをするのかを聞くことが出来たのだそうです。

 

この指導は子どもたち、そして実習生それぞれへの配慮が込められていました。

 

まずふたりの子どもが自分の気持ちを表現しやすいよう、他の子どもたちをフリーの職員に任せて保育室に残しています。

そしてM先生の近くに友人□□を置かなかったことも、子どもたちの気持ちを優先してのことでした。確かに実習生に見つめられる中では、自分の気持ちを表現し辛いですよね。

 

それでもこのトラブルをどう解決に導くのかを、それが出来なかった□□には直接見せたかったのです。それで水道の掃除を指示したというわけです。ぼんやり立っているのも時間の無駄ですし、不自然ですからね。

 

私ともう一人の実習生△△は直接このトラブルに関わっていなかったので、他の子どもたちと関わる方が良いと判断されたのです。ですが、トラブルは目にしているので、反省会であの時の子どもたちの気持ちやどう仲立ちしたのかは簡単に教えてくれました。

 

子どもたち一人一人のこと、実習生一人一人のことを、瞬時に考え判断した上での指示でした。

 

このように子どもの為だけでなく、実習生の学びのことも考えることが出来るM先生は本当に素晴らしいと思います。

他にもたくさんこういったことがありました。

 

 

この実習を皮切りに多くの実習に向かい、たくさんの実習指導の先生方に出会ったのですが、ここまで配慮して下さる先生は他にいませんでした。

実習生が子どもの対応に困ったとき、「ここはもういいから、他の子どもたちをみててね」というように、メインの活動をしている子どもたちの方へと促す先生がとても多かったです。

これは自分が働き出して、同僚(時に先輩も)の実習指導を見ていても感じます。

 

もちろん、あとの反省会で伝えるというのも方法のひとつですし、メインの活動に参加して欲しいときだってあると思います。

大切なのは、どんなときも「この実習生は今、何をすることが学びとなるのか」と常に考えながら指導に当たることで、それが実習生を導くことに繋がるのだと私は思います。

そう考えられるようになったのはM先生の指導を受けたからこそです。

 

この記事を読んでいるみなさんにM先生のような指導をしましょうと提案しているのではありませんが、指導をする上での参考になればと願っています。

 

 

「実習に行ったら保育士になりたいと思わなくなった。」

なんて、自分が指導した保育学生が実習で夢を断つことがないようにしたいですね。

(「この道じゃなかった」と気が付くのは良いと思います!)

 

 

心を込めて指導し、最後には言われましょう!

「先生みたいな保育士になりたいです!」って。