メモを使わない保育記憶術
これから保育実習を迎える保育学生さんから、こんな相談をされました。
実習記録の記載は時間を細かく記したり、子どもや保育者の行動を記したりと大変ですよね。ご相談の学生さんは元々記憶に自信がないそうで、時間など細かいことを覚えようとすると子どもたちとの関わりが疎かになるのではないかと心配していました。
これまでの、メモが許されていた実習でも書くタイミングを逃すと書こうとしたことを忘れてしまうと悩んでいました。
そんなご相談を聞いて思い出したのは、私の保育実習のメモ事情。
私は元々、物事を記憶するのが得意です。
(と書くと格好良いですが、そうではなく記憶の情報処理が下手なのです・・・)
なので実習中にメモを取るなと言われて困惑することはなかったのですが・・・
とある実習先で、メモを取らない姿を「やる気がない」と咎められ、きつく叱られました。
「学校でそう指導されました!!」
なんて言えないので、その先生の前ではメモを取るようにしたのですが、今思い出してももやもやしてしまいます。
この実習指導の保育士さんとは真逆の考え方をする人もいます。
「メモを取ることで満足して、覚えなくなるからメモは取らずに覚えなさい!」
「メモに必死になるな!」
というような。
どちらも極端ですね。
指導を受ける側が自分に合う手段を取ることが一番望ましいと私は思うのですが。
指導をする立場であるときは、そんなことも配慮出来る人でありたいです。
保育実習生は、あくまで勉強の身です。その日の保育者の必要人数には含まれていないので、子どもの安全は実習生の目を含まないものとして守るべきことではあると思うのですが、それは園側の姿勢です。
実習生の姿勢としては、勉強の身であっても、いち保育者、一人の先生として保育に参加しているはずです。保育中に何より注意したいのは子どもの安全です。
メモが許されていても、保育の妨げになるようなメモの取り方は出来ません。
子どもと過ごしている最中に、ペンとメモで手が塞がったり、一瞬でも子どもから目が離れたりすることは避けたいです。
そうすると、結局メモを取れるタイミングは限られます。
そ・こ・で!!
今回は保育実習も新人研修期間もメモは全く使わなかった私の、保育を記憶する技術を伝授したいと思います。
うめ先生流
メモを使わない保育記憶術
その1 まずは意識を変える!
自分の意識をないがしろにしない方がいいです!
何事も「無理だ~~~」と口にしたり思い込んだりしている間は無理です。
「メモがないと私は無理」と考える癖をやめましょう。
「メモがなくてもなんとかなる!」そう言葉にし、考えるようにします。
そうやって意識を変えるだけで、出来なかったことが出来るようになるんです。
マインドコントロールみたいなものですが、大事です。
その2 「流れ」で覚える
時間や活動を一つ一つ覚えようとしてもそれは難しいと思います。
学校の時間割のように国語の次に算数があって、理科で、と活動の順に決まりや流れがないと覚えるのは難しいです。
ですが保育には流れがあります。
外で遊んだから手を洗う、活動に入る前にトイレへ行く、お集まりがあって主活動が始まる、というような流れです。そしてこの流れは、(特殊な園を除いて)幼稚園も保育園も大きな違いはありません。
一日の活動を思い浮かべるときは、この流れを意識して思い出すといいのです。
朝→登園→身辺整理→自由遊び→片付け→・・・・
実習記録の書き方も流れに沿って書くようになっているはずです。いきなり給食時間について記述しませんよね?
朝からの流れに沿って覚えるといいのです。
その3 ポイントを覚える
ご相談者さんが特に気にしていた「時間」の記憶などはポイントで覚えることをおすすめします。
8:00 登園 身辺整理 8:15 園庭に出る・・・
というようにすべての時間を覚えようとすると難しいです。特に子どもたちの活動時間は年齢が下がれば下がるほど細かく刻まれていますしね。
なので、時間に関しては大きな区切りだけをポイントにして覚えます。
9:30 体操 10:00 主活動 11:00 給食 12:00 午睡
このように大きな区切りだけ覚え、先ほど伝えた「流れ」と組み合わせたら、活動前の「15分がトイレに行った時間だな」などと他の時間も検討がつきます。
実習記録における時間の記述は、(1分のズレもなく正確に書かなければならない!)というものではありません。おおよその時間でいいのです。
大きな区切りだけを覚えるようにしましょう。
その4 常に理由を考える
子どもの活動においても、保育者の言動においても、常に「どうして?」と理由を考えるようにします。
どうして机を片付けるんだろう。
どうしてこの活動をするんだろう。
どうしてその言葉掛けをしたんだろう。
保育は子どもの様子から、どう育ってほしいのかというねらいを立て、それに基づいて活動を決めています。活動にも理由はあるし、保育者の言動にも理由があります。机を動かすなどの環境構成も活動の為の理由があります。
これらの理由は保育の意図、保育者の意図です。
子どもの言動にも当然理由があります。
この子はどうしてこの行動を取ったんだろう。
子どもの言動の理由を知ることは、子どもの気持ちを理解することに繋がります。
活動や言動をただ覚えようとしても印象に残りませんが、その裏に隠れている保育者の意図と子どもの気持ちを考え、理解しようとすることで心に残ります。
漠然と保育に参加すると、そういった視点が欠け、子どもの活動(子どもの気持ち)や保育者の言動(意図)が記憶に残りにくいのです。
その5 語呂で覚える
保育記録を書く上で使うことはあまりないかもしれませんが、新人期間や働き出してから役に立つことが多い方法です。
仕事内容や物を、語呂で覚えるのです。
例えば週番の仕事を覚えておくとき
その内容が、(窓開け・掃除機・玄関掃除・花の水遣り・外周の掃除)だった場合はそれを覚えやすいリズムにしてしまうのです。
♪窓に掃除機、玄関水外!まどにそうじき、げんかんみずそと!
例えば決まった色の色画用紙を取りにいくときも
♪赤青薄茶、白ピンク!あかあおうすちゃ、しろぴんく!
自分の覚えやすいリズムでOKですが、数回口に出して言うようにした方がいいですね。学生時代の試験勉強を思い出す方法です。
似たような方法で、指差しを添えるというものもあります。仕事内容や物の収納場所などを覚えるときに有効ですね。他にも外出時の持ち物チェックなどに使えます。
その6 数に置き換えて覚える
先ほどの週番の仕事内容で使うとしたら、「週番の仕事は5」と数字だけ覚えておきます。あとは仕事をするときに、一個終わった、2個終わったと数えていくのです。5に達したら仕事終了で、5に達しなかったら何かを忘れているということです。
買い物に行くときも、「10個買うものがある」と10という数字だけをしっかり覚えます。あとは同じように数えながら買っていくのです。
これは私が日常的によく使う方法なのですが、難易度は高いかもしれませんね。
その7 日頃から記憶する練習をする
普段からメモが必需品という方も多いと思いますし、日常においてはどのようにしようと自由なのですが、記憶力というのは鍛えることが出来るものだと思います。
メモに頼らないように生活したいという方や記憶にあまりに自信がないという方は、日頃から記憶しようとする癖をつけるといいですね。
まずは自分の生活に差し支えのないことから始めるといいと思いますよ。
学校や職場に提出するものなど、絶対に忘れてはいけないものをいきなり記憶だけで乗り切ろうとするのではなく、自分の買い物など忘れても被害がないものから始めましょう。
◎まとめ
保育の仕事で役に立つ記憶術を書きました。
と言っても、普段メモをすることが習慣になっている方がいきなりメモなしで挑むのはハードルが高いかもしれません。
メモが出来ないのはあくまで「保育の安全のため」なので、休憩時間や子どもの降園後(幼稚園の場合)はメモを取ることに差し支えはないはずです。私がお伝えした方法で記憶しておき、休憩時間などにメモに起こしておくと安心できるのではないでしょうか。
はじめに書いたとおり「保育の安全のため」という範囲外のことであれば、メモしようと、記憶だけに頼ろうと、個人の自由であるはずです。自分に合った方法を選ぶのが一番良いと思います。
ですが「メモしたいのに出来ない」「メモは禁止された」という方、是非うめ先生流記憶術を試してみて下さいね☆
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