うめ先生のブログ

「子どもを集める」のではなく「子どもが集まる」保育をしよう!

新人研修期間アドバイス③壁面環境アドバイス③ 最初の製作は相談しながら

本日も私自身の体験から・・・

新人期間は叱られることも多かったので、自分の得意なことはサクサクと終わらせようと考えた私。

クラス発表がされた瞬間、先輩にクラスの作り物を尋ねました。

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なるほど、

(誕生表、子どもたちの誕生日を表示してあるアレだな!)

(壁面環境、保育室後ろの壁に貼るやつだな!)

(日めくりカレンダー、子どもたちが出席シールを貼るときに確認するやつか!)

とにかくその3つを作ったらいいんだな!!

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作り物は元々得意!!

誕生表も壁面環境もカレンダーも作るのは初めてだけど、気合いが入っていました!!

クラスが発表された喜びもあったと思います。

だけどもしあのときの私に今、アドバイス出来るならば・・・

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と言いたい・・・。

ですが、かの有名なのび太さんに机をお借りするわけにはいきませんので・・・

新人保育者のみなさんにお伝えしようと思います!!

 

そう。

誕生表や壁面環境の大きな製作、そして日めくりカレンダーや誕生カードなどの小さな製作、どちらにも言えることですが

製作には園によって独自の流行や暗黙のルールがあるんです!!

 

独自の流行?!

暗黙のルール?!

「うちの園にはそんなものないですよ」という先生もいるかもしれません。

確かにまっったくそういうものがないという園も存在します。

ですが、その園にずっと在籍しているからこそ気が付かないというケースもあります。

 

最近は誕生表や壁面環境を廃止している園も多いですが、新人保育者のみなさん。

参考になることもあると思うので最後まで読んでみて下さい。

 

 

最初の製作は相談しながら

 

◎独自の流行と暗黙のルールとは?気が付いたきっかけ

先ほど書いた通り、そもそもそのようなものがない園もあるのですが、ずっと同じ園に在職していて気が付かないというケースもあります。

私は6園での経験があります。職場を変えるという経験をしていなければ、私も気が付かなかったかもしれません。

と言うのも、このことを痛感するのはイラストの新人研修期間から一年後、保育園へ転職した時だったからです。

 

「独自の流行」「暗黙のルール」

そう単語にしてもピンと来ない方もいると思うので、私の経験したことを記しておきますね。

最初に就職した幼稚園では

イラストの様子に戻ります。この園では1年目からクラスを一人で持ちます。

自分の得意を発揮したいという気持ち、クラスが決まって嬉しいという気持ちから、私は先輩の指示や指導を待たずフライング気味に誕生表などの製作に取り掛かりました。

 

保育雑誌などを参考にすることもなく、型紙も使わない状態、自分のイメージだけで作りました。どういうものを作ったのか今でも鮮明に覚えています。

うさぎ組だったので、うさぎがバラのアーチの中にいるようなものを作りました。

クラスカラー(というものがありました。)が濃いピンクだったので、誕生表も濃いピンクをふんだんに使いました。

 

そして思ったとおりの作品を作り上げたのですが、主任のチェックが入りました。

私がもう黒板の上部に貼り付けてしまった後だったので、作り直しは免れたのですが色に関して厳しく指摘されました。

 

主任からの指摘は

・濃い色や原色を使いすぎる。

というもの。

 

もちろん見本のない中で製作したこと、立体的に作っていること、という褒めてもらえた部分もありますが、色に関しては本来なら(まだ貼っていなければ)作り直しをさせるということでした。

 

それから他の先生方の作った誕生表や壁面環境を見させて頂くと(作る前に見させてもらうべきですね、、)

みんな色が薄い、淡いんです!!

 

原色や濃い色はほぼ使われていません。

たとえば人や動物の目も黒ではなく薄茶で作っているんです。濃いピンクを使いたいところは薄いピンクに置き換える、黄色もひまわりのような黄色ではなくクリーム色のような薄い黄色を。赤も赤ではなく、くすんだ赤を。(クリスマス赤と表示されてました。)

色画用紙はあらゆる種類のあらゆる色が揃っている園でしたが、すべてにおいて淡い色を使う。これはこの園の暗黙のルールでした。

そして目を薄茶で作ることは淡い色に合わせることから始まった、この園の流行だったのだと思います。

 

前回の記事で主任が「原色ばかり!」と苦言を呈するシーンがありますが、主任の「子どもには刺激が強すぎない淡い色を提供しましょう!」という考え方が先生方全員に根付いていました。

私も最初の誕生表こそ濃い色を使ってしまいましたが、その色の使い方にすっかり慣れていきました。

 

次に就職した保育園でのこと

保育者2年目という経験を買われ、まだこの園に馴染んでいない時期にも関わらず、行事のステージ幕飾りを担当することになりました。

私は前園での壁面環境を作る感覚で、色画用紙で作ったのですが・・・

やり直しになった上、きつく叱られる羽目になりました。

 

まず、この園では画用紙は貴重なもの。(色もそんなに種類がない)

全てに画用紙を使うなんてとんでもないことをやってくれたな!!と激しく叱られました。

そして色遣いも「おかしい」と指摘されました。

「目が薄茶色、おかしいでしょ?大体なんでこんなに淡い色ばかり使ってるの?メリハリがないじゃない!!」と。

そして「こんなに画用紙を使わなくてもいいように工夫をしなさい!」とも言われました。

全て作り直しです。

(「逆に画用紙もったいないやん・・・」とこっそり思いましたけど笑)

 

この園では、画用紙をたくさん使えない分、包装紙や端切れなどを取り入れて工夫しなければなりませんでした。これは事前に教えてもらえない暗黙のルールだったのだと思います。

そして流行と言えば、人や動物の目や口を色画用紙ではなく「つや紙」で作ること。

つや紙のてかり具合で表情が活き活きとして見えるんですね。

淡い色ばかり使うことに関しては、「メリハリがない」と一刀両断でした。

 

結局一緒に組んでいる先輩の力を借りて全て作り直したのですが、

「幼稚園での経験役に立たないね、普通の新人の方がかえって教えやすいわ」

などとキツイことを言われ、号泣した思い出があります。

 

・・・・・・・・・・・・

 

同じ保育を仕事とする場であっても、製作をするにあたってのルールや流行がこんなにも違うんですよ。(ちなみに同じ地域の園なので、地域差などはありません。)

 

この2園以外に「独特だな」と思った製作ルールがあった保育園では、「色画用紙の裏表を非常に気にする」というところがありました。

普通の色画用紙です。見ただけででは裏も表も判断し辛く触って判断するのですが、私はいまだに裏も表もよくわからないし、気になりません。

見た目にまったくわからないのです。

ですがこの園では裏表を間違えたら全てやり直しでした。

もちろん見た目にわからないので、間違う先生続出でプログラムなど量産の製作の度、何度も何度もやり直す羽目になるという時間と労力の無駄にしか感じないような細やかさを要しました。

 

もちろんそういったルールや流行が何もなく、作った物を「素敵ね~☆」と褒め合う園もありましたし、「誕生表は個人情報だから廃止!壁面環境、保育士の負担だから廃止!」という園もありました。

 

◎それ従わないといけないの?

ここまで読んでくれた方の中には「そんなこと気にしなきゃいけないの?あほらし!」と思った方もいるかもしれません。(私はちょっと思うんよ。)

そもそも誰の為の、何のための製作なのか、保育者の負担が増すのではないかとか、そういったことを言い出すと止め処なくなります。

こういったルールや流行があったとしても「気にしません!」「好きにします!」というのは自由です。ですが園が「園の方針」として打ち出しているならば、職員は従わなければなりませんし、新人保育者の立場で異論を呈することはそれ相応の苦労も伴います。

 

私は、この独自の流行や暗黙のルールを見つけて、それに従いましょう!

と言っているわけではありませんし、そんなものがあっても自分の考え貫いて好きな製作しましょう!と提案しているわけでもありません。

ただ、新人時代の私のように先走って作ることで、無駄に叱られるのは防ぎたいと思ったのです。

 

 ◎就職したばかりで流行やルールを見極める方法

園のやり方(ルールや流行)に沿うとしても、就職したばかりでそれを見極めるのは難しいですよね。

私も幼稚園では淡い色を使うというルール、保育園では画用紙をなるべく使わないというルールを知るまでには失敗というステップを踏んでいるのです。

誰かが教えてくれたらよかったのですが、きっと先生方にはそのルールや流行が馴染んでいて、新人に教える項目として入っていなかったのだと思います。

 

では、どうすればよかったのか。

もしあの時に戻れたなら・・・と想定して書いてみますね。

(新人保育者さん、ここからがお役に立てる内容だと思いますよ~)

①先輩保育者の作品をたくさん見せてもらう

研修期間がある新人さんは、今飾られている作品を見ることが出来ますね。

色遣いや素材などの統一性の有無を踏まえてみてみましょう。

園によっては自然素材(木の枝やどんぐり)しか使わないというルールがあったり、キャラクター物は禁止というルールがあったりします。

見させて頂いてもわからないことは、尋ねた方がいいと思います。

また先生によっては、自身の記録として過去の作品を写真に収めている方もいるかもしれません。そういった先生がいる場合は是非見せてもらいましょう!

「勉強させて下さい」とお願いしたら快く見せてくれるのではないでしょうか。

 

②作る物を決めたら相談する

最初から全部を自分でするという考えは持たなくていいと思います。

保育雑誌などの見本ページや自分のラフ画でも構いません。

一緒に組む先生などに「これを作りたいと思うんですけどどうですかね~」と相談してみるといいと思います。

あっさり「いいんじゃない?」で終わるケースもあると思いますが、そんな小さなことも関係を築いていく上で役立ったり、何かあったときかばってくれたり、と相談することで悪化するものはありません。

(但し、全て丸投げの姿勢は印象悪いですし、保育中の相談は避けるなどタイミングも大事です。)

③製作中の様子をみてもらう

製作途中の様子をみてもらうと変更が可能であったり、よりよい作品になるためのアドバイスがもらえたりします。

新人期間は相談や途中経過をみてもらうことに緊張するかもしれませんが、先輩も頼られると嬉しいものです。思い切って声を掛けてみて下さい。

経過を相談する、というのは新人でなくなり経験を積んでからもよくあることです。

「ねぇこれどう?他の色の方がいい?バランス見てくれない?」

そんなやりとりを気さくに出来る、それこそチームワークじゃないでしょうか?

④完成したらみてもらう

何回見せなきゃいけないんだ・・・と思いますよね?笑

でも新人期間はそれくらい慎重でもいいと思います。経験がかさめば完成後にみてもらうということはせずに済むようになります。

先輩方にみてもらってアドバイスをもらえたら有難いですし、「いいのが出来たね☆」と言ってもらえらたら自信にもなりますね。

◎つまりは相談

つまりね、相談することが大事なんです。

冒頭イラストや私の経験部分を読んで気が付いてくれたでしょうか?

私は製作前や製作途中の相談を全くしていないし、見せてもいないのです。

あの時、事前に相談していたら・・・

あの時、経過を見てもらっていたら・・・

お叱りを受けたり、作り直しをさせられることはなかったと思います。

 

◎まとめ

製作のことでも大事なのは「相談」という結論になりました。

保育は人と関わる仕事です。

子どもだけでなく、保護者だけでもなく、常に一緒にいる職員との関わりは大事ですね。

独自の流行も暗黙のルールも、相談しながらだったら自然に理解出来ます。

何も恐れることはありません。

 

「最初から全てを自分でしようとせず、相談しながら取り組む」

あ~

あの頃の私にそう教えたい!!笑